「ノルウェイの森(上)(下)」村上春樹

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)


 僕はあまり本を読まずに生きてきたから、 村上春樹さん、名前しか聞いたことなかった。 ふとしたきっかけで、読んでみたくなって (生協の本屋に、村上春樹コーナーがあったという、ホントにふとしたきっかけ。) とりあえず、名前だけ聞いたことがあった「ノルウェイの森」 を読み始めた。


 登場人物がひとりひとり印象深くて、読み進めやすい。 わざと印象に残らないようなひとを突如取り上げたりする推理小説のようなものが今までの読書人生の主流だった僕は、衝撃を受けた。 取り上げられた人物の部分を戻って読み直さなくては 推理小説なんか読めなかったから、(あまり読書が好きでなかった理由のひとつ) 小説の世界に「入り込ん」でしまう現象というのを体験したことが あまりなかったけど、「ノルウェイの森」に入りこんでしまった。 これが、小説というものなのか!!


 だけど、序盤の内容に問題があった。 これは、大学の新入生は、絶対に読んではいけない本だ。 18歳未満こういう世界もあるんだと読めばいいし、 20歳以上はこういう大学生活もあったんだと読めばいい。 だけど、 新入生が読むと、主人公のような鋭い観察力と詩的センスをもった生き方にシンパシーしてしまいそう。こんな生活も主人公もあるわけないのにね。

 下巻は、金曜日の夕方に買って一気に読んでしまった。 それくらい、小説の世界に引き込まれる快感に酔った。初めての経験だ。 それで、帰りの電車の中、最寄の駅の2つくらい前で、読み終わり、 ボーっとしていた。経験したことのない腹の奥から湧き上がってくるような感情が 降りる駅につくまで僕を満たしていた。

今日は、事情があって、夕飯を外食する日だったから、 松屋にいってキムチ豚丼と野菜をかって食べた。 腹がいっぱいになって自転車にのると、すっかりあることを忘れてた。 「あ、もうさっきの僕を満たしていた感情はどこかへいってしまったな。」 さっきの感情は、おなかがすいていたから湧き上がってきた感情なのかもしれない。それくらいの、ささいで、普通で、なんともない感情だったのかも。


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