榎本ナリコ「センチメントの季節」

 中学のころ、帰り道のゴミ捨て場でエロ本を探すのが日課だった。そんなとき、榎本先生の「センチメントの季節」に出あった。

 榎本先生の女性は、頭が良くて、自分をもっていて、丁寧な口調でしゃべり、美人だった。「あぁ、同年代の女の子たちは、こんなことを考えて生きて、そしてセックスしていたのか・・・」と、エロいことばかりしか考えていなかった自分が恥ずかしくなった。

 以来、榎本先生の描く女性の頭の良さからくる突拍子のなさにどこかあこがれを感じてしまっていた。無口でいろいろなことを深く考えていて無気力な女性が好きになっていた。

だけど、現実に、そういう女性とは出会えない。世慣れしていて、楽しそうで、あっけらかんとしている女性ばかりに出会う。

もしかして、僕にそういう面を見せてくれないだけなのかもしれないけど。どうしたら、女性のそういう面に出会えるのかわからないまま、そういう女性への憧れは強くなる。