正誤や善悪などを「考えさせる」構成というのは好きだけれど、善悪や正誤を提示してから、その後の主人公たちの動きを「考えさせる」構成というのはあまりスッキリしなくて好まない。
評価できる点は、ストーリーが、ファンタジーほど不条理・非論理だけで構成されているわけでもなく、通常の小説のように論理や感情だけで構成されてるわけでもなく、アクロバティックなストーリーを理由付けるためにほどよくまじった不条理、(「仮定的不条理」と僕は呼ぶが)を現実にありそうな世界に混ぜる技術がうまい。喋る乗り物や、ありえない制度など、ストーリーを動かせるために、仮定的にストーリーの前提にまぜてあるという点で共通しているので、比較的短編間の不条理さ具合に統一性があり、ストーリーにのめりこみやすい。
キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))
- 作者: 時雨沢恵一,黒星紅白
- 出版社/メーカー: メディアワークス
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最後に
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