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『ガジェットプログラミングのためのJavaScript入門』アスキー書籍編集部

VistaGoogleYahoo! 対応 ガジェットプログラミングのためのJavaScript入門を読み終えました。

Vista、Google、Yahoo! 対応 ガジェットプログラミングのためのJavaScript入門

Vista、Google、Yahoo! 対応 ガジェットプログラミングのためのJavaScript入門

 ガジェットを一つ作ってみて思ったのが、ガジェットプログラミングを行うには、HTMLのためのJavaScriptといった意識から脱却しなければいけないということ。ガジェットという形のデスクトップアプリケーションを作るにあたって、OSのAPIを扱うこともあるし、Web上のリソースを編集する対象ではなく、一つのソースとしてとらえなければいけないこともある。だから、『多少、HTMLがかけるので、その発展として、ちょっと動かしたいな』という目的をもってJavaScriptを使ってきた人(私みたいな人)には、ガジェットプログラミングは、多少敷居が高い。

 Windowオブジェクト、documentオブジェクトで操作したいところ、期待する動作というのは、そんなに種類がなくて、そのすべてともいっていいような網羅性をもって操作・動作について、ネットや書籍で紹介されている。だから、HTMLにJavaScriptを組み込みたい場合、ネットや本で紹介されているソースを1行貰ってくるだけで、あるいは、ちょこっとコピペするだけで、大体、目的が達成できる場合が多い。多少、ソースが理解できなくてもどこを変更すればどのように動きが変わるかくらいの理解があれば、十分なのだ。

 ガジェットプログラミングの場合、HTMLのためのJavaScriptのようにネットで大量にチップスが落ちているわけでもないし、そんなチップスで実現できるようなガジェットは既に公開されているだろう。リファレンスも確固たる知識をもって理解しながら、読まなければいけない。

 JavaScript+XMLでガジェットを作るには、HTMLに組み込む場合に比べて自力で解決しなければいけないことが圧倒的に多いのだ。

 JavaScriptを『お手軽にHTML文書をインタラクティブにできるチップス』という認識から、『本格的なオブジェクト指向プログラミング言語』であると認識を改めなければいけないHTML出身のJavaScriptプログラマにとって、本書は良書であるといえる。

本書は、

  • なぜこういう風に書くとそのプロパティが取り出せるのか?(とくにThisの使い方!)
  • JavaScriptの配列オブジェクトの構造等

コピペしたり、HTML向けのサンプル集を眺めていただけでは、理解することが難しいJavaScriptの文法・考え方をわかりやすい講義形式でまとめてある。筆者は、「こういった本を手に取る対象者」、および、「そのような対象者がガジェットプログラミングを行うにはどのようなレベルアップを図る必要があるのか」ということをしっかりと把握していて、その橋渡しをするためにとてもよい構成になっている。

・・・すなわち、分厚いリファレンスを読み進めることができるだけのJavaScriptの理解・・・

JavaScriptのチップス集に載っているような雑多な知識はばっさり省いているし、ガジェットプログラミングのリファレンスの説明も必要最低限。よって、HTMLのためのJavaScriptでガジェットプログラミングもできるんじゃないか?と甘い考えの方には、難しすぎるかもしれない。すでに、オブジェクト指向言語としてのJavaScriptに触れている方には、この本から得られる情報というのは少ないのかもしれない。

ガジェットプログラミングを一つの目標にして、より本格的で柔軟なオブジェクト指向プログラミング言語としてのJavaScriptを学びたいという方にはオススメです。

最後に

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  • 2009-06-02 初版公開
  • 2018-05-05 追補 (最後に)