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日々感じたこと、艦隊これくしょん、千年戦争アイギス、読書記録

国会と速記

 日本は、先進国のなかで唯一、第一回議会から逐語の速記録をもつ国です。明治維新からたった20年で、欧米の速記法に着目し、日本語で速記法を発明した速記研究者たちの努力のたまものといえるでしょう。 欧米のものを取り入れるだけだから、簡単じゃないか?と思われるかもしれません。しかし、速記というのは、その言語の特徴をフルにつかって逐語で書き取っていきますから、20年で実用化できたというのは、とても驚くべきことといっていいと思います。

 そして、現在までずっと、符号式速記によって、議事録が作成されています。衆議院規則・参議院規則に、速記によって議事録を作成することが定められているからです。

 衆参あわせて300名近くの速記者が、1年間で3000時間分の議事録を4人1組5分交代で記録していきます。

 1999年からは、議事録をインターネットで公開していますが、これも速記者たちがすばやく文字化してきたから出来たことです。文字化されていたから、全体の把握もすばやくできましたし、読みたいところだけを読むこともできました。検索も容易でした。もし、録音だけで議事録としていたら、通信技術からいって、議事録へのアクセスが大変になっていたでしょうし、聞き取りにくい場合も多かったでしょう。