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速記を知らない人へ

 速記とは、話す以上の速さで言葉を記録することができる技術のことです。

 話し言葉がどれくらいかというと、NHKのニュースで1分間に約240文字程度、 早口で発言したときは1分間に平均約400文字程度といわれています。 一方、日本人が紙と鉛筆を使って漢字かな混じりの文章を書いた場合、 思考する時間を除いても分速で30文字から40文字と言われています。 画数の少ないカタカナを用いて書いた場合でも、80文字程度です。 ですから、普通の文字を用いていては、とうてい話した言葉を全部書き取ることは できません。 (ためしに、NHKのニュースを一字一句逃さず書き取ろうとしてみてください。)

 極端に単純な表音記号を用いたり、 日本語の特徴をふまえて省略できる部分を省略したり、 よく使う語句にあらかじめ単純な記号を割り当てたりして、 普通の文字を使ったときの10倍程度の速さで記録することができるのが、 速記という技術です。 速記に熟達すれば、話されたことばを一字一句逃さず記録することができます。

 この技術は、裁判所や国会、報道、文芸、秘書業、メモなど、 さまざまなところで利用されてきました。

 録音技術などが発達した現在では、手書きで一字一句もらさず発言を書き取る技術の 重要性は薄れてしまいましたし、このような技術があることを知らない人も多くなりました。 「すばやく文字を書くこと」を速記という場合も多くあります。 しかし、もともと「速記」という言葉は、 上記のような声をそのまま記録する技術のことをいうのです。