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「こころ」夏目漱石×榎本ナリコ

こころ (ビッグコミックス)

こころ (ビッグコミックス)

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 あー懐かしい。そうそう、この人、中学校の最初のころ大好きだった作家さん。 読売新聞の書評の題みてそう思って、中身まで読んだら、とんでもないこと思い出した。 思い出しちゃいけなかった。あの頃はかなりマセてたんだ・・・。 でも、いまなら堂々と読める「エレメントの季節」、再読してみようか・・・なぁ。(19才・男)

 つい先ほどまで王子さま事件が、世間を騒がせていたけど、 たしか、「エレメントの季節」は、たぶんそれに近い、退廃的で、目的がないまま思春期という大気圏に突入した人 たちのお話だった。中学生ながら全身にかけて麻痺するような感覚を覚えながら読んでいた。 たぶん、今の自分のどうしようもないところを見ると、この漫画に大分影響を受けている気もする。

 そんな榎本さんが、夏目漱石の「こころ」を、現代風にアレンジして描いたって。 古典だし、教科書のってるしネタばれ上等!で書いちゃうと、「こころ」って、奇妙な人間関係、三角関係、自殺なんかが 題材でしょう。上の全然わからない榎本さんの説明よりも、この3つのキーワードのほうが当てはまるよ! ってくらい、榎本さんに「ピッタリ」だと、漫画読む前から思ってた。 あだち充の「野球漫画」みたいなもんだよ。

 面白い。榎本さんの絵は、目が好き。とても表情豊か。 たぶん、純文学をきちんと漫画化できる人は、日本に何人もいないと思う。 (僕は漫画読まないからわからないけど、相当の実力がいるよ、きっと。) 普通の漫画家だったら、青○剛○じゃなくても、あだ○充じゃなくても、 10〜20ページ書いたら表情が足りなくなっちゃうと思う。 それだけじゃない、原作に忠実じゃなくて、現代風にアレンジまでして成功してしまった 榎本さんは、すごいと思う。

黒い光が、私の未来を貫いて、一瞬に私の前に横たわる全生涯を物凄く照らしました。

 この本は、黒い光に、全生涯を物凄く照らされた男の話がメインな訳だけど、 この本を読む人は、心ん中に黒い光のレーザーポインターくらいはできちゃう準備はしたほうがいいと思う。(おおげさ?)

 あと、重松清さんの「疾走」が、文庫化されてるみたい。 いつもの重松清の感覚でよんじゃった僕には、衝撃作だった。かなりブラック。 たぶん、近いうちに再読すると思う。

文体を定めたいと思っている今日、このごろ・・・。

最後に

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  • 2005-05-26 初版公開
  • 2018-05-27 追補 (最後に)