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早稲田式速記の特徴

 速記は、自分だけが理解できる符号で言葉を書き取り、 あとで誰でもよめる文字に戻す技術です。言葉を書き取るときは、 自分しか読めない記号を使ってもいいのですが、 やはり長年の研究の成果がつまった現存の体系を学び、 そこから改良していくのが上達の近道といえます。 現在僕が、練習しているのは、早稲田式といわれているものです。 1930年に設立された早稲田大学の速記研究会の活動のなかで考案されたものです。

 1930年といえば、1882年に日本語速記の指導が始められてから50年近く経っており、 さまざまな方式が生まれ、使われていた時代です。 ですから、早稲田式は速記方式としてかなり後発のものといえます。 そんな時代に生まれた早稲田式の一番の特徴といえるのが、 多数の速記方式から長所を取って構成されたという点でしょうか。

 創立者の畑中茸次が学習していた方式だけを挙げても、「中根式」・「毛利式」・「田鎖式」、 研究会を発展させた川口渉が学習していたのは「荒浪式」。 研究会独自の体系を作るときに参考にされたのが「熊崎式」「丹羽式」・・・。 早稲田式は、さまざまな方式の長所が検討され作られた体系です。 さらに、早稲田式から分派した「佐竹式」を再び取り込んだりと、 かなり多くの速記方式の影響を受けた方式であるといえます。 また、速記した符号を読み返しやすく「書き取れたら読める」方式とも言われています。 これも、多くの実践のなかで改良されてきた結果といえるでしょう。

 また、専門学校、通信教育、大学の研究会、高校の部活動、有志による共同練習会など、 さまざまな方法で普及が行われたため、後発ながらもかなり普及した方式でもあります。 広く普及した「四大速記方式」の一つにも数えられます。