小松未歩『mysterious love』

『mysterious love』は、小松未歩の17枚目のシングル。発売は、2002年11月27日。ベストアルバムには、Disc2の3トラック目に収録されています。

mysterious love

　タイトルが発表されたのをみた時、自分は高校生でしたが「久しぶりに名探偵コナンタイアップがきた！！？？」と思って、とてもわくわくしたように記憶があります。

　品番は当初予定されていた『GZCA-2053』から『GZCA-7003』に変更されたそうですし、このころの名探偵コナンのOP曲、愛内里菜さんの『I can't stop my love for you』も「2002年03月11日～2003年01月13日」とずいぶんながく採用されていましたので、もしかしたら、名探偵コナンのタイアップで本当に話が進んでいたのかもしれないなぁ、もし、ビックタイアップついていたら、小松未歩というアーティストのCD売上や知名度の面で、もうひと盛り上がりしたのかもしれないなぁなどといまだに妄想したりします。

aods1004.hatenablog.jp

発売当時の日記をみると、

今、ちょっと興奮してます！小松さん、良すぎです。えっと、昼休みに何も特典ないところで、 買おうと計画してたけど、ポスターって予約特典じゃなくって二つ同時に買う時の特典だったの を思い出して、買いたい気持ちを抑えて、放課後にとおーくのCD屋さんまで買いに行きました。

と、こんな様子で、個人的にはかなり盛り上がっていたんですけどね。

　さて、曲のほうはというと、先述のようにいまだにタイアップをトリガーに制作された曲なのではないかと妄想するほど新一と蘭の関係性を歌い上げたような内容です。同アーティストで同じく謎をテーマにした「謎」が「謎めくあなたの愛を」というように、恋愛の対象、相手のこと、相手の気持ちが謎だといい、徐々に謎がとけていき打ち解けていく成就まで過程を歌っているのに対して、「mysterious love」は、二人の関係性の不安定さを「ミステリー」だと歌っています。新一と蘭については、物語上、気持ちは通じ合っていながらも、事件に巻き込まれているという事情で、関係性を深めることへの障壁が大きいというかなり不安定な関係ですので、おもわず二人の関係性とこの曲を重ね合わせてしまうひとも多いのではないでしょうか。さらに、散りばめられたキーワードも「ミステリー」といったそのままのものから「発火装置」「煙に巻く」「チェスボード」など爆発や怪盗、ゲーム的な駆け引きなどがよくでてくる名探偵コナンの雰囲気ととてもよくあっています。（一切タイアップ関係はないんですけれどもね！）

　「謎」「氷の上に立つように」「願い事一つだけ」など初期の小松未歩楽曲によく親しんでいたけれども、後期の小松未歩楽曲にあまり触れたことのない方には、ぜひぜひ、デビュー時期から逆算しておそらく２０代後半となった小松未歩さんが大人の女性の観点で最初期の「謎」と同じテーマをリライトした『mysterious love』を入門にして中期から後期の曲にも触れてみてもらいたいなあと思ったりしています。「あなた色」「涙キラリ飛ばせ」などアップテンポでキャッチーな初期の雰囲気を彷彿とさせる曲から、「I just wanna hold you tight」「私さがし」「I ～誰か」など後期ならではのしっとりと聴かせる曲まできいて損がないものがそろっています。

小松未歩ベスト~once more~